穀雨ということで今日はよく降りました。
昨日,お世話になってる建設会社さんの依頼で湯布院の方に地震の被害にあったお宅の屋根にブルーシート掛けのお手伝いに行きました。
1軒目は石州瓦を葺いた切妻屋根の平屋のお宅でした。
棟の台のしとその上の熨斗1,2段ほど残して棟瓦が全て地面に落下。
棟瓦が落下した影響で地瓦が破損。
(地瓦は2列毎に釘で固定)
さらに軒先の雪止め瓦を破損
棟は,台のし以外は熨斗瓦を割らずにモルタルの接着力で重ねて置いていって針金は使わずに無緊結,冠瓦は2段下の熨斗瓦から針金を出して緊結。
3本より線にはなってましたが針金が柔らかい感じがしたのでもしかしたらステンレス(SUS)じゃなくて普通のSS材かもしれません。
せめて大回しでもよいので野地からSUSの針金を出して緊結しておけば棟部分の修理のみで他の瓦に被害を与えずに済んだのかもしれません。
2軒目はセメント瓦和形で葺かれた2階建ての切り妻屋根です。
被害は2階部分が主です。
正面からみると少しの被害のようでしたが
上がってみると
裏面はグチャグチャでした。
地瓦は所々,鉄釘で固定しているもののほとんど釘無しで桟木に引っ掛けているだけ,釘も錆びてあまり保持できていませんでした。
棟は地瓦が動いて棟際の半端瓦も動いているのでそれに添ってコテンと倒れています。
針金を千鳥で回し掛けているので崩れ落ちずに済んでますが,野地からは針金を出してないようです。
ちなみに,下屋部分は上から落ちた瓦で地瓦が10枚ほど割れてましたが
それ以外の被害は無しでした。
(全数釘で固定,棟も野地から出した針金で大回しで緊結)
地震被害は地盤・基礎・建物の躯体・屋根とそれぞれの要因が絡み合って屋根の上に非常にわかりやすい形で現れますね。
一軒目のお宅は板金屋根に葺き替えようかとおっしゃってましたが,
瓦という屋根材自体には問題はなくとも,それを使う(施工する)人の手によって評価の善し悪しが決まってしまうように思います。(もちろん社会背景やお金が絡む経済面の影響は無視できませんが)
これから先を考えると長く続く瓦という文化を絶やすも存続させるも今その業界に携わる人の手にかかっているように思います。(一人一人の肩にかかる責任は軽くはないと思います。)